最近のトラックバック

2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 中東料理って?その2 | トップページ | ウズベク料理店の話-1 »

2006年3月19日 (日)

中東料理って?最終話

 1と2を読まれた方は「じゃ中東料理って、具体的に、どんな料理なんだ」という疑問を持たれたでしょうね。大きく4つに分けた中東料理を一括りで表現するのは、凡人の私には出来ません。これは、アジア料理と言って。日本、朝鮮半島、中国、東南アジアを一括りにして話すようなものです。ですから、中東料理という言葉は今回限りにして、それぞれの料理についてお話します。ただペルシャ料理は専門外なので割愛させていただきます。

■トルコ料理とアラブ料理

 トルコ民族はモンゴル高原に端を発し、長い歴史の中でユーラシアを駆け抜けて、今の小アジアまでたどり着きました。ですから色々な文化を吸収してきたのです。歴史の中で、どこから現代と結びつくトルコと呼ぶか・・・諸説あるでしょうが、料理的には、まあ、セルジューク・トルコ以降あたりからが無難な線です。トルコ料理の特徴は、乳製品の多用にあります。例えば中国の水餃子の中身を羊肉にして作り、食べるときにニンニクを混ぜたヨーグルトをかけ、溶かしバターを更にかければ、立派なトルコ料理です。料理名も「マントゥ」です。串に刺した焼肉(シシ・ケバブ)にもヨーグルトなどを使います。炒めるのはバターだったりします。ピラフ(ピラウ)も有名です。ピラフはペルシャ料理の影響です。こうした料理が最も古い形のトルコ料理です。

 トルコ料理は、オスマン・トルコの繁栄と共に変化していきます。様々な食材と調理法が各地からもたらされます。オリーブ・オイルを使うようにもなります。逆にトルコから他国に伝わったものもあります。シシケバブは、アラブ世界ではシシカバブです。面白いのはトルコでは肉の固まりですが、アラブでは挽肉です。トルコ料理の挽肉はシシ・キョフテといいます。アラブにもコフタという料理がありますが、これは串には刺しません。これが北アフリカのチュニジアにいくと、ポテトと魚のすり身のパテをコフタと呼ぶのです。更に西のモロッコまで行くと、再びコフタは挽肉になります。ややこしい話です。この話だけでも一筋縄では、いかない事がお分かりいただけるでしょう。

 話をアラブ料理だけに限ってお話するだけでも大変です。本当は、アラブ料理というものは存在しません。「はあ?」と皆さんのため息が聞こえてきそうです。そうなんです。アラビア半島の多くのアラブ人は、ベドウィンと呼ばれる遊牧民です。彼らの料理をアラブ料理と単純に呼べないのです。つまりイエメンとかレバノンなどのように定着して料理を育んできたものもあるからです。これらは、正確にはベドウィン料理、イエメン料理、レバノン料理と呼ぶのが正しいのです。アラブ料理という言い方は、欧米の人間が便宜上、そう呼んだに過ぎません。それぞれに全く違う料理です。政治的にアラブの雄とされるエジプトにしても、料理は、これまた、全く違うものになります。例えばの一例ですが、カプサ(ベドウィン)、ビリヤニ(イエメン)、キッビ(レバノン)、モロヘイヤ(エジプト)これらは、他の国にはありません。それぞれの国のものです。特定の国の料理が他国に広まったものもあります。日本でも一般的なスパゲッティを例にお話すると、パスタは、ナポリなど南イタリアの料理でした。トリノとかミラノやベネツィァなど北イタリアでは、近年まで食べられていませんでした。それが今ではイタリア中で見受けられるようになりました。それに似たアラブ料理が、ホムス(ヒヨコ豆のディップ)、ババガヌージ(焼きナスのディップ)などです。

 アラブの多様性を少しご理解いただけたでしょうか。今、悲しみのどん底にあるイラクにしても、イラク料理として、他の国々とは全く違うのです。

 一般的な知識として、この中東世界の違いを認識していただけたら充分だと思います。

« 中東料理って?その2 | トップページ | ウズベク料理店の話-1 »

コメント

ビリヤニをイエメン独自のもののような書き方をしましたが、僕の勉強不足でした。インド、パキスタンがオリジナルの料理です。出稼ぎが多く定着したものだそうです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 中東料理って?最終話:

« 中東料理って?その2 | トップページ | ウズベク料理店の話-1 »